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実験動物とは

実験動物にはどのような種類の動物を使用するのか、
一般に販売されている動物とは何が違うのかなどを解説します。

実験動物は通常の意味合いでは実験のために生産・飼育される動物であり、
試験や教育、生物学的製剤(ワクチン)の製造にも使われる動物です。
広い意味では産業動物や野生動物も含めることもありますが、
基本的には分けて考える場合が多いです。

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実験動物の種類

マウス、ラット、モルモット、スナネズミ、ハムスター、フェレット、ウサギ、イヌ、ミニブタ、サルなどがよく使われます。なお、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の研究にはハムスターや、コロナウイルスが感染しやすくなるようにヒトの遺伝子を組み込んだマウスが使用される場合が多いとのことです。

  • マウス

    マウス
  • ラット

    ラット
  • ウサギ

    ウサギ
  • モルモット

    モルモット
  • ミニブタ

    ミニブタ
  • イヌ

    イヌ
  • サル

    サル
  • マウス

    マウス
  • ラット

    ラット
  • ウサギ

    ウサギ
  • モルモット

    モルモット
  • ミニブタ

    ミニブタ
  • イヌ

    イヌ
  • サル

    サル

実験動物の特徴

実験動物のいちばんの特徴は、多くの動物で遺伝学的統御と微生物学的統御がなされていることです。

遺伝学的統御 最も多く使用されるマウスやラットでは、個体差による実験のブレを少なくするために近親交配を20代以上重ねた「近交系」という種類を使用することが多いです。近交系は遺伝子が99.9%同じ個体であり、ほぼ同一の個体(クローン)とみなすことが出来ます。

微生物学的統御 動物実験には外的要因である微生物も重要な役割を果たします。多くの動物はSPF(Specific Pathogen Free)項目が定められているSPF動物であり、特定の病原体を有していないことが明らかになっています。

実験に使用される動物は由来が明らかで、クリーンな環境で育ってきた動物でないと実験が成り立ちません。このため、現在では保健所などからの払い下げの動物や、捕獲された犬や猫を使用することはありません。

飼育環境の変化

時代の移り変わりとともに実験動物の飼育環境も大きく様変わりをしてきました。
げっ歯類の環境を例に挙げて考えてみます。

1950年代〜2010年代にかけての飼育環境の変遷1950年代〜2010年代にかけての飼育環境の変遷doi: 10.1016/j.tvjl.2012.09.023.から一部改変して引用

このように昔は金網ケージでの飼育だったものがプラスチックのケージに置き換わり、最近では一部のヨーロッパの企業など先進的な取り組みをしているところでは2階建ての立体構造を取り入れるところも出てきています。これらの変化の理由の一つには「動物福祉」という事があり、実験動物であってもなるべく自然の生態に近い環境を整える必要があります。しかし実験をする上で欠かせない再現性(何回やっても同じ結果が出る)の観点からは別の見方が出来ます。それが「科学的合理性」です。

ストレスの少ない環境を目指した取り組み

一般に動物のストレスの感じやすさにはバラつきがあり、ストレスがかかる環境(金網ケージなど)では実験データにバラつきが生じる可能性が出てきます。そのため、実験操作以外のノイズをなるべく少なくするためにも、動物の飼育環境をストレスが出来るだけ少ない環境に近づける必要が出てきました。下の写真はウサギとイヌのグループ飼育の写真です。このように群れで暮らしている動物にとっては群れを作ってあげることが環境改善にも繋がります。

doi: 10.1016/j.tvjl.2012.09.023.から引用

動物福祉と科学的合理性の両面から、実験動物の飼育環境は改善されてきています。

この他にも飼育施設は温度・湿度、騒音、光量、換気回数などが厳密に管理されており、こうした管理の上で動物実験は初めて成立します。動物の環境を整え、個体差によるバラつきを少なくし、なるべく少ない試験回数と使用数で試験を成立させることが、飼育管理の方々をはじめ、動物実験に従事する方々すべてに求められていることであり、心掛けていることでもあります。