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We think the future of laboratory animals.

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実験動物のより良い未来を模索する

実験動物のより良い未来を模索する

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2021.09.03
JALAMシンポジウムおよびJCLAMフォーラムの開催について
2021.09.01
JALAM News Letter No.57 / 2021.9を掲載しました。
2021.08.02
2021年度ウェットハンド研修会(第2回)のお知らせ

新着・人気コラム

実験動物のリホーミング

実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準では、第4章実験等の実施上の配慮の項において、「実験に供する期間をできるだけ短くする等実験終了の時期に配慮すること」と記されています。そして、実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準の解説によると、実験計画の立案においては、「実験や術後観察の終了の時期(人道的エンドポイント)等について、具体的な計画を立案する必要がある。(p. 114)」と解説されています。また、人道的エンドポイントとは、「実験動物を激しい苦痛から解放するために実験を終了あるいは途中で中止する時期(すなわち安楽死処置を施す時期)を意味する。(p. 142)」と解説されています。こうしたことから、動物実験の終了とは、主として安楽死処置を施すこととも捉えられます。

一方で、安楽死処置については、上述の通り実験動物を激しい苦痛から解放するための措置である反面、「安全性に加え、安楽死処置実施者が感じる精神的不安、不快感、あるいは苦痛に配慮し、科学的研究の目的を損なわない限り、心理的負担の少ない安全な方法を選択すべきである。(p. 159)」とも解説されており、実施者にとっては精神的不安、不快感、あるいは苦痛といった心理的負担を伴う措置であるということも理解されています。

このような安楽死における実施者の心理的負担に関しては、「安楽死にまつわる諸問題」についてのコラムですでに紹介されていますが、動物実験が遂行される中で、必ずしも動物は苦痛を被って実験を終えるものでもありません。こうした動物に対してはどのようにエンドポイントを考えたらよいでしょうか。これらの動物にも安楽死処置を施すのでしょうか。その心理的負担は苦痛から解放するための安楽死処置の場合よりも大きいものになるかもしれません。他に選択肢はないのでしょうか。

最近では、酪農学園大学から引き取られた実験犬「しょうゆ」の里親譲渡の話題もあり、こちらも「実験動物の里親制度」についてのコラムですでに紹介されていますが、国内でも少なからず実験動物を安楽死せずに余生を送らせるリホーミングの活動が行われています。リホーミングは動物の福祉を考えること、また実施者の心理的負担を軽減させるという点でとても有意義なことではありますが、同時に、実験動物が社会の目に触れ、動物実験に関心をもつきっかけとなるということは、社会的に適正な動物実験を考える上でもとても重要なことでもあるのではないでしょうか。

ここでは実験動物のエンドポイントとして安楽死に代わる選択肢としての可能性があるリホーミングについて、実際にリホーミングをされた方からの寄稿を交えて、文献を紹介します。多くの方が実験動物に関心を持ち、適正な動物実験を考えるきっかけとなればと思います。

寄稿:実験動物の印象革命<前編>
寄稿:実験動物の印象革命<中編>
寄稿:実験動物の印象革命<後編>

国内で実験用ビーグルのリホーミングに取り組むM社Aさんのご紹介で、実際に実験犬を引き取られたKさんからのお話を聞く機会がありました。ぜひ多くの方にも紹介させて頂きたい内容と思いましたので、ご厚意により、この場に寄稿いただきます。

文献紹介:リホームされた実験用ビーグルは、日常的な場面でどのような行動をとるのか?

製薬企業から引き取られた実験犬の、その後に関するドイツでの調査です。

文献紹介:英国で行われた実験動物のリホーミング実践に関する調査

実験動物のリホーミングに関する英国での実態調査です。

特集

【会員限定公開】動物実験手技動画(株式会社ケー・エー・シー提供)

株式会社ケー・エー・シーにご協力いただき、JALAM会員限定で動物実験手技動画を公開することになりました。

なお、本企画の掲載動画は、株式会社ケー・エー・シーの動物実験委員会が定める基準に則り、厳正な審査の基に作成されております。動画の閲覧にあたっては、以下の注意事項をお守りいただけますようお願い申し上げます。
1.掲載動画の内容の一部又は全部を無断でダウンロード、録画、録音、撮影するなどの行為はおやめ下さい。
2.掲載動画の著作権及び著作者人格権は、株式会社ケー・エー・シーに帰属します。

動物実験手技動画-投与編

動物実験手技動画-採血編

動物実験手技動画-その他

動画視聴後は以下のアンケートにもご協力ください。

https://docs.google.com/forms/d/1AGAnGqnkss9XWciqatlBkcJTOHXtxofaR1AAbJPHg3U/edit

特集

【Webinar|12月18日(土) 13:00- JST】 「みんなで考えるアニマルウェルフェアを普及させるための第一歩!」第3回【企業との対話】

コラム

「温故知新、前島賞」

皆さんは「前島賞」の由来や趣旨をご存知でしょうか。

前島賞をご存知の方でも、この賞の由来となっている前島一淑(まえじま・かずよし)先生をご存知ない方、特に若い方に増えてきているかもしれません。そこで、このコラムでは、前島先生と前島賞を知って頂くと共に、先輩を倣い、実験動物医学を一層、発展させる事を考える機会になれば幸いです。

JALAM初代会長の前島一淑(まえじま・かずよし)先生は、1937年、静岡県生れで、1960年に北海道大学獣医学部を卒業されました。その後、1962年に東京大学伝染病研究所(北里柴三郎が創設、現東京大学医科学研究所)助手に着任され、田嶋嘉雄先生や藤原公策先生の両先生の指導の下で感染症の研究を開始し、実験動物学、無菌動物学、実験動物衛生管理学を中心に多方面にわたって業績を残されました。1973年には慶應義塾大学医学部に助教授で着任された後には(1988年教授就任)、日本において実験動物福祉や動物実験倫理の分野を開拓されました。また、獣医学系大学において実験動物学の講義を開講をされると共に、笠井憲雪先生らと共に、実験動物医学専門医制度を確立されるなど、後進の指導にも大きく貢献されました。こうした業績が認められ、2003年には日本獣医学会賞越智賞を、2005年には、日本実験動物学会功労賞を受賞されました。

前島先生のご芳名を冠した前島賞が創設された経緯ですが、2003年に前島先生が慶應義塾大学を退任されるのを機に、JALAMに多額の寄付をされました。JALAMでは、前島先生の意思を汲み取り、後継者の育成を目的とした賞(前島賞)を創設すること事となりました。前島賞は、JALAM学術集会において最も優秀な発表を行った会員1名に贈呈されます。賞の創設は2004年ですので、既に18年の歳月が流れ、毎年、多数の応募があり、本年まで18名の先生が受賞されております(下表参照)。審査にあたっては、研究の独創性及び新規性、科学的重要性、実験動物学分野への貢献と将来への期待を基準に選出されてきました。その結果、多くの優れた成果が得られ、新たな分野が拓かれてきました。これからも、JALAM学術集会(前島賞への応募)が若手研究者の一層の活躍につながる場になることを期待しております。

来年より、本賞は、日本獣医学会の賞として、学術集会優秀発表賞(前島賞)に改名されます。最近は、SDGs (Sustainable Development Goals) と言う言葉をよく耳にする様になりました。若手の研究者の皆さんには、是非、本賞を目指して切磋琢磨して頂き、継続的な成長に繋げて頂きたいものです。

歴代受賞者 (2004-2021)

第1回今野 兼次郎群馬大医 動物実験施設
第2回益山 拓JT医薬総合研究所安全性研究所
第3回高橋 英機理研脳科学研究センター 動物資源開発支援ユニット
第4回浅野 淳鳥取大農獣医 生化学研究室/北大獣医 実験動物学教室
第5回岡野 伸哉東北大医 動物実験施設
第6回酒井 宏治国立感染研 動物管理室
第7回西野 智博北大獣医 実験動物学教室
第8回党 瑞華北大獣医 実験動物学教室
第9回近藤 泰介東大農獣医 実験動物学研究室
第10回大沼 俊名愛媛大 総合科学研究支援センター動物実験部門
第11回北沢 実乃莉東京農工大農獣医 衛生学研究室
第12回佐々木 隼人北里大獣医 実験動物学研究室
第13回中野 堅太国際医療センター動物実験施設/北里大獣医 実験動物学研究室
第14回越後谷 裕介日大獣医 実験動物学研究室
第15回松田 研史郎東京農工大獣医 比較動物医学研究室
第16回 守屋 大樹大阪大谷大薬応用薬学系 免疫学講座
第17回高橋 悠記北里大獣医 実験動物学研究室
第18回橋本 茉由子酪農大獣医 生理学ユニット

コラム

文献紹介:犬、猫におけるミノキシジル外用薬の暴露状況とその毒性:211症例(2001-2019)

Topical Minoxidil Exposures and Toxicoses in Dogs and Cats: 211 Cases (2001-2019)

Kathy C. Tater, MPH, DVM, DACVD, Sharon Gwaltney-Brant, DVM, PhD, DABVT, DABT, Tina Wismer, MS, DVM, DABVT, DABT 

 Am Anim Hosp Assoc. 2021 Sep 1;57(5):225-231.  doi: 10.5326/JAAHA-MS-7154.

(DeepL翻訳、一部改変)

ミノキシジル外用薬は、米国では当初は処方箋のみで入手可能であったが、1996年以降は市販品として入手可能な脱毛治療薬である。犬と猫におけるミノキシジルへの曝露と中毒の疫学を明らかにするために米国の動物虐待防止協会の動物毒物管理センターにおけるデータベースを検索したところ、ミノキシジル外用薬に暴露した犬と猫211症例が確認された。臨床的に中毒症状を呈した87例(猫62例、犬25例)については、病歴を詳細に検討し、暴露に関連する状況をコード化した。猫の場合、最も一般的な暴露状況としては、飼い主が自分の脱毛のためにミノキシジルを塗布している間の、意図しない摂取(例:ペットが飼い主の皮膚や枕カバーを舐めた、薬をこぼしたときにペットが飛び散った)が、最も一般的な暴露状況であった。犬では、探索行動(例:ゴミ箱の中を探す)による暴露状況が最も多く認められた。犬や猫では、舐めたり、1,2滴かかったりなど少量の暴露量でも臨床症状の発現が認められた。臨床症状を呈した症例では、ほとんどが中等度または重度の疾患を発症した(犬56.0%、猫59.7%)。猫の場合、飼い主がミノキシジルを使用した後に臨床症状を呈した62例中8例(12.9%)が死亡した。ペットの飼い主は、ミノキシジルの偶発的な暴露による犬や猫の中毒のリスクについて知っておく必要がある。

[コメント]

ミノキシジルは、CMで宣伝されている育毛剤の主要成分です。この研究は、データベースに登録されている過去の症例報告に基づき、疾患の要因と発症の関連を調べた後ろ向き研究(retrospective study)であるため、エビデンスレベルは高くありません。本当の意味で犬・猫におけるミノキシジルの毒性を調べるためには、実験的に犬猫にミノキシジルを摂取させる(動物実験)、あるいは育毛剤を使用している飼い主と、使用していない飼い主に飼育されている犬猫の中毒症状の発症率を調べる、前向き研究(prospective study)が必要です。しかしながら、ミノキシジルの毒性については、種差(人間には安全な濃度でも、犬猫には危険)があり、犬猫は少量摂取するだけで臨床症状を呈する可能性があるので、育毛剤の保管や廃棄には十分注意が必要でしょう。また、ミノキシジルは重度の中毒を起こす危険性があるため、犬や猫の脱毛症の治療には使用しない方が良さそうです。

コラム

ちゃんと向き合いたい、
実験動物のこと。

実験動物というとどんなイメージがあるでしょうか。
動物を実験に活用することへの抵抗感をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、実験動物に携わる関係者の間では実験動物を科学的合理性だけでなく、
動物福祉の観点からも向き合い、飼育環境の改善、実験方法や規制の見直しといった工夫を
日々行っております。

当団体では、そういった日々進化する実験動物に関する情報を
様々なコンテンツを通じて発信しております。
当サイトが、実験動物に関心のある方々の理解を促進し、
よりよい動物と人間の共存関係を実現する一助となれば幸いに存じます。

学会案内を見る

About Laboratory Animals実験動物とは

主な実験動物の種類、実験動物の飼育環境などについて説明します。

詳しくはこちら

Mechanism動物実験のしくみ

動物実験がどのように活かされるのか、また、実験環境を取り巻く規制などについて説明します。

詳しくはこちら

実験動物のリホーミング

実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準では、第4章実験等の実施上の配慮の項において、「実験に供する期間をできるだけ短くする等実験終了の時期に配慮すること」と記されています。そして、実験動物の飼養及び保管並びに苦痛の軽減に関する基準の解説によると、実験計画の立案においては、「実験や術後観察の終了の時期(人道的エンドポイント)等について、具体的な計画を立案する必要がある。(p. 114)」と解説されています。また、人道的エンドポイントとは、「実験動物を激しい苦痛から解放するために実験を終了あるいは途中で中止する時期(すなわち安楽死処置を施す時期)を意味する。(p. 142)」と解説されています。こうしたことから、動物実験の終了とは、主として安楽死処置を施すこととも捉えられます。

一方で、安楽死処置については、上述の通り実験動物を激しい苦痛から解放するための措置である反面、「安全性に加え、安楽死処置実施者が感じる精神的不安、不快感、あるいは苦痛に配慮し、科学的研究の目的を損なわない限り、心理的負担の少ない安全な方法を選択すべきである。(p. 159)」とも解説されており、実施者にとっては精神的不安、不快感、あるいは苦痛といった心理的負担を伴う措置であるということも理解されています。

このような安楽死における実施者の心理的負担に関しては、「安楽死にまつわる諸問題」についてのコラムですでに紹介されていますが、動物実験が遂行される中で、必ずしも動物は苦痛を被って実験を終えるものでもありません。こうした動物に対してはどのようにエンドポイントを考えたらよいでしょうか。これらの動物にも安楽死処置を施すのでしょうか。その心理的負担は苦痛から解放するための安楽死処置の場合よりも大きいものになるかもしれません。他に選択肢はないのでしょうか。

最近では、酪農学園大学から引き取られた実験犬「しょうゆ」の里親譲渡の話題もあり、こちらも「実験動物の里親制度」についてのコラムですでに紹介されていますが、国内でも少なからず実験動物を安楽死せずに余生を送らせるリホーミングの活動が行われています。リホーミングは動物の福祉を考えること、また実施者の心理的負担を軽減させるという点でとても有意義なことではありますが、同時に、実験動物が社会の目に触れ、動物実験に関心をもつきっかけとなるということは、社会的に適正な動物実験を考える上でもとても重要なことでもあるのではないでしょうか。

ここでは実験動物のエンドポイントとして安楽死に代わる選択肢としての可能性があるリホーミングについて、実際にリホーミングをされた方からの寄稿を交えて、文献を紹介します。多くの方が実験動物に関心を持ち、適正な動物実験を考えるきっかけとなればと思います。

寄稿:実験動物の印象革命<前編>
寄稿:実験動物の印象革命<中編>
寄稿:実験動物の印象革命<後編>

国内で実験用ビーグルのリホーミングに取り組むM社Aさんのご紹介で、実際に実験犬を引き取られたKさんからのお話を聞く機会がありました。ぜひ多くの方にも紹介させて頂きたい内容と思いましたので、ご厚意により、この場に寄稿いただきます。

文献紹介:リホームされた実験用ビーグルは、日常的な場面でどのような行動をとるのか?

製薬企業から引き取られた実験犬の、その後に関するドイツでの調査です。

文献紹介:英国で行われた実験動物のリホーミング実践に関する調査

実験動物のリホーミングに関する英国での実態調査です。

特集

【会員限定公開】動物実験手技動画(株式会社ケー・エー・シー提供)

株式会社ケー・エー・シーにご協力いただき、JALAM会員限定で動物実験手技動画を公開することになりました。

なお、本企画の掲載動画は、株式会社ケー・エー・シーの動物実験委員会が定める基準に則り、厳正な審査の基に作成されております。動画の閲覧にあたっては、以下の注意事項をお守りいただけますようお願い申し上げます。
1.掲載動画の内容の一部又は全部を無断でダウンロード、録画、録音、撮影するなどの行為はおやめ下さい。
2.掲載動画の著作権及び著作者人格権は、株式会社ケー・エー・シーに帰属します。

動物実験手技動画-投与編

動物実験手技動画-採血編

動物実験手技動画-その他

動画視聴後は以下のアンケートにもご協力ください。

https://docs.google.com/forms/d/1AGAnGqnkss9XWciqatlBkcJTOHXtxofaR1AAbJPHg3U/edit

特集

【Webinar|12月18日(土) 13:00- JST】 「みんなで考えるアニマルウェルフェアを普及させるための第一歩!」第3回【企業との対話】

コラム

「温故知新、前島賞」

皆さんは「前島賞」の由来や趣旨をご存知でしょうか。

前島賞をご存知の方でも、この賞の由来となっている前島一淑(まえじま・かずよし)先生をご存知ない方、特に若い方に増えてきているかもしれません。そこで、このコラムでは、前島先生と前島賞を知って頂くと共に、先輩を倣い、実験動物医学を一層、発展させる事を考える機会になれば幸いです。

JALAM初代会長の前島一淑(まえじま・かずよし)先生は、1937年、静岡県生れで、1960年に北海道大学獣医学部を卒業されました。その後、1962年に東京大学伝染病研究所(北里柴三郎が創設、現東京大学医科学研究所)助手に着任され、田嶋嘉雄先生や藤原公策先生の両先生の指導の下で感染症の研究を開始し、実験動物学、無菌動物学、実験動物衛生管理学を中心に多方面にわたって業績を残されました。1973年には慶應義塾大学医学部に助教授で着任された後には(1988年教授就任)、日本において実験動物福祉や動物実験倫理の分野を開拓されました。また、獣医学系大学において実験動物学の講義を開講をされると共に、笠井憲雪先生らと共に、実験動物医学専門医制度を確立されるなど、後進の指導にも大きく貢献されました。こうした業績が認められ、2003年には日本獣医学会賞越智賞を、2005年には、日本実験動物学会功労賞を受賞されました。

前島先生のご芳名を冠した前島賞が創設された経緯ですが、2003年に前島先生が慶應義塾大学を退任されるのを機に、JALAMに多額の寄付をされました。JALAMでは、前島先生の意思を汲み取り、後継者の育成を目的とした賞(前島賞)を創設すること事となりました。前島賞は、JALAM学術集会において最も優秀な発表を行った会員1名に贈呈されます。賞の創設は2004年ですので、既に18年の歳月が流れ、毎年、多数の応募があり、本年まで18名の先生が受賞されております(下表参照)。審査にあたっては、研究の独創性及び新規性、科学的重要性、実験動物学分野への貢献と将来への期待を基準に選出されてきました。その結果、多くの優れた成果が得られ、新たな分野が拓かれてきました。これからも、JALAM学術集会(前島賞への応募)が若手研究者の一層の活躍につながる場になることを期待しております。

来年より、本賞は、日本獣医学会の賞として、学術集会優秀発表賞(前島賞)に改名されます。最近は、SDGs (Sustainable Development Goals) と言う言葉をよく耳にする様になりました。若手の研究者の皆さんには、是非、本賞を目指して切磋琢磨して頂き、継続的な成長に繋げて頂きたいものです。

歴代受賞者 (2004-2021)

第1回今野 兼次郎群馬大医 動物実験施設
第2回益山 拓JT医薬総合研究所安全性研究所
第3回高橋 英機理研脳科学研究センター 動物資源開発支援ユニット
第4回浅野 淳鳥取大農獣医 生化学研究室/北大獣医 実験動物学教室
第5回岡野 伸哉東北大医 動物実験施設
第6回酒井 宏治国立感染研 動物管理室
第7回西野 智博北大獣医 実験動物学教室
第8回党 瑞華北大獣医 実験動物学教室
第9回近藤 泰介東大農獣医 実験動物学研究室
第10回大沼 俊名愛媛大 総合科学研究支援センター動物実験部門
第11回北沢 実乃莉東京農工大農獣医 衛生学研究室
第12回佐々木 隼人北里大獣医 実験動物学研究室
第13回中野 堅太国際医療センター動物実験施設/北里大獣医 実験動物学研究室
第14回越後谷 裕介日大獣医 実験動物学研究室
第15回松田 研史郎東京農工大獣医 比較動物医学研究室
第16回 守屋 大樹大阪大谷大薬応用薬学系 免疫学講座
第17回高橋 悠記北里大獣医 実験動物学研究室
第18回橋本 茉由子酪農大獣医 生理学ユニット

コラム

文献紹介:犬、猫におけるミノキシジル外用薬の暴露状況とその毒性:211症例(2001-2019)

Topical Minoxidil Exposures and Toxicoses in Dogs and Cats: 211 Cases (2001-2019)

Kathy C. Tater, MPH, DVM, DACVD, Sharon Gwaltney-Brant, DVM, PhD, DABVT, DABT, Tina Wismer, MS, DVM, DABVT, DABT 

 Am Anim Hosp Assoc. 2021 Sep 1;57(5):225-231.  doi: 10.5326/JAAHA-MS-7154.

(DeepL翻訳、一部改変)

ミノキシジル外用薬は、米国では当初は処方箋のみで入手可能であったが、1996年以降は市販品として入手可能な脱毛治療薬である。犬と猫におけるミノキシジルへの曝露と中毒の疫学を明らかにするために米国の動物虐待防止協会の動物毒物管理センターにおけるデータベースを検索したところ、ミノキシジル外用薬に暴露した犬と猫211症例が確認された。臨床的に中毒症状を呈した87例(猫62例、犬25例)については、病歴を詳細に検討し、暴露に関連する状況をコード化した。猫の場合、最も一般的な暴露状況としては、飼い主が自分の脱毛のためにミノキシジルを塗布している間の、意図しない摂取(例:ペットが飼い主の皮膚や枕カバーを舐めた、薬をこぼしたときにペットが飛び散った)が、最も一般的な暴露状況であった。犬では、探索行動(例:ゴミ箱の中を探す)による暴露状況が最も多く認められた。犬や猫では、舐めたり、1,2滴かかったりなど少量の暴露量でも臨床症状の発現が認められた。臨床症状を呈した症例では、ほとんどが中等度または重度の疾患を発症した(犬56.0%、猫59.7%)。猫の場合、飼い主がミノキシジルを使用した後に臨床症状を呈した62例中8例(12.9%)が死亡した。ペットの飼い主は、ミノキシジルの偶発的な暴露による犬や猫の中毒のリスクについて知っておく必要がある。

[コメント]

ミノキシジルは、CMで宣伝されている育毛剤の主要成分です。この研究は、データベースに登録されている過去の症例報告に基づき、疾患の要因と発症の関連を調べた後ろ向き研究(retrospective study)であるため、エビデンスレベルは高くありません。本当の意味で犬・猫におけるミノキシジルの毒性を調べるためには、実験的に犬猫にミノキシジルを摂取させる(動物実験)、あるいは育毛剤を使用している飼い主と、使用していない飼い主に飼育されている犬猫の中毒症状の発症率を調べる、前向き研究(prospective study)が必要です。しかしながら、ミノキシジルの毒性については、種差(人間には安全な濃度でも、犬猫には危険)があり、犬猫は少量摂取するだけで臨床症状を呈する可能性があるので、育毛剤の保管や廃棄には十分注意が必要でしょう。また、ミノキシジルは重度の中毒を起こす危険性があるため、犬や猫の脱毛症の治療には使用しない方が良さそうです。

コラム