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JALAM会員寄稿 の記事一覧

私観・日本実験動物医学会史(第1回) 

第一回 実験動物医学の創成期

(このコラムはJALAMニュースレターNo.39/2012.8に掲載された特集を転載しています)

 先頃、本会情報・編集委員会委員矢野一男君から私の会長辞任を機に、任期中の事柄について、 何か一文を書くように仰せつかった。考えてみると、本学会は 1993 年(平成 5 年)4 月 1 日に「実験動物医学研究会」として発足し、明年 4 月 1 日で創立 20 周年を迎えることになる。また、発足当時尽力した人々は私も含め第一線から退く時代となり、創成期の出来事を残しておきたいと言う年寄りの懐古趣味から、私観・実験動物医学会史なるものを書いてみることとした。これから 2~3 回に分けて書いてみたい。「私観」と冠した実験動物医学会史はあくまでも私から見た学会の歴史であり、この文を私が 実験動物の世界に入った頃から始めたい。

実験動物界へのデビュー

 1985 年(昭和 60 年)4 月16 日付けで、私は北海道大学医学部附属動物実験施設に配置替えになったが、この時が、私が本格的に実験動物界へ足を踏み入れた時である。この後に日本獣医学会や日本実験動物学会に参加し始め、そこで前島一淑先生や波岡茂郎先生、黒澤努君(あえて君つけする)に出会うこととなった。そして皆さんと実験動物や動物実験と獣医師の役割について熱心に議論した。その中で、日本の獣医師は実験動物界ではあまり重視されていないこと、さらには実験動物に携わる獣医師が集い議論する場がないことが明らかになった。  

 1988 年(昭和 63 年)春の日本獣医学会の折りに都市会館の一室に光岡知足先生(東大)、波岡先生(北大)、前島先生(慶大)、黒澤君(大阪大)、伊藤勇夫先生(千葉大)と私が集まり、昼食 を共にして獣医学会の中に実験動物分科会の設立の可能性について議論した。これが、日本実験 動物医学会発足への活動の始まりであると、私は認識している。

 翌年、1989 年(平成元年)11 月には私たちは前島先生を通して日本獣医学会に「実験動物分科 会設立に関する要望書」を提出した。

 そして私は 1990 年(平成 2 年)と 1991 年(平成 3 年)の 2 回にわたって米国の実験動物や動物実験の事情を視察する機会をえた。この 2 回の米国訪問はその後の私の本会活動に大きな影響を与えた。

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