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国立大学法人動物実験施設協議会(令和3年11月1日)の記事一覧

凄いぞ 実験動物! – 2021 年アルバート・ラスカー賞は光遺伝学 –

実験動物から得られた画期的成果をご紹介します。
〜国立大学法人動物実験施設協議会の許可を得て転載〜

 今年のアルバート・ラスカー基礎医学研究賞は光遺伝学の発展に貢献した 3 名の科学者 が受賞されました。本賞の受賞者はノーベル生理学・医学賞を授与されることが多く、た いへん権威ある賞です。ディーター・エスターヘルト博士は光駆動の水素イオンポンプ活 性を示すバクテリオロドプシンを発見、ペーター・ヘーゲマン博士は現在光遺伝学で汎用 されているイオンチャネル型の光活性化タンパクであるチャネルロドプシンを発見、カー ル・ダイセロス博士はこの分子を神経細胞に発現させ光応答させるシステムを作成、動物 の行動を光で制御することに成功しました。光遺伝学は実験動物の脳機能解析に応用され ており、多くの画期的な研究成果が得られています。今回は、その一部をご紹介します。

心を科学

 初めてのデートや失恋など強い感情はひとつの 記憶として心の中に長く残ります。この記憶は記 憶痕跡と呼ばれます。最近では記憶痕跡が脳のひ とつの場所だけでなく連携し広く存在していると 考えられているようです。事実、記憶には五感的 な要素が含まれ総合的なものなのです。2012 年にマサチューセッツ工科大学の利根川 進先生(1987 年ノーベル生理・医学賞受賞)たちはマウ スの記憶痕跡に関わる脳の特定の神経細胞にチャ ネルロドプシンを遺伝子操作で発現させ、マウス に恐怖体験をさせた後、光刺激のみでマウスの心に残っている恐怖体験の記憶痕跡を想起 させることに成功しました。心は形あるものの変化に基づいていることを光遺伝学と実験 動物で証明した画期的な研究です。

Optogenetic stimulation of a hippocampal engram activates fear memory recall Liu et al., (2012) Nature, 484: 381-385. doi: 10.1038/nature11028

コラム

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