logo

当サイトではサービス向上のためにCookieを取得します。同意いただける場合は、「同意する」ボタンをクリックしてください。
詳細は、Cookieポリシーのページをご覧ください。

蚊のぬれに着目した新しい蚊対策

コラム

1 2 3 4 5 6 7 8

【蚊をぬらして落とす技術】

 蚊は脚がぬれるとすぐに逃げていくことがわかりました。それでは体や羽がぬれるとどのようなことが起きるのでしょうか?まずは体と羽をよく観察してみましょう。羽も体も、細かい毛でびっしりと覆われていることがわかります(図2)。昆虫の体には、空気を取り込むための「気門」という穴があり、その周囲にも毛が生えています。これらの毛一本一本も水をはじく成分で覆われているので、体も羽も水をはじく性質が強いです。そのため蚊は雨の中でも生存でき、水面から羽化することもできます。そんな体や羽を濡らす方法を考えました。

図2:蚊の羽(上)と胸部(下)の電子顕微鏡写真。

 着目したのが、「界面活性剤」です。界面活性剤は、ひとつの分子の中に水になじむ部分と油になじむ部分を持っています(図3)。そのため、水と油のように本来なじまないものを、なじませることができます。蚊の体の表面は、油に近い性質を持っています。界面活性剤を水に加えれば、界面活性剤が水と蚊の間をつないで、蚊をぬらすことができるのではないかと考えました。

図3:界面活性剤の構造のイメージ図。

1 2 3 4 5 6 7 8

JALAM学術集会委員会

関連記事